東京マグニチュード8



★★★☆☆ 星3

シックスセンス


地震の時のBGMや印籠のように配置された余震、家族愛演出のエモさがベタすぎるわりに、視聴者に当事者のトラウマ追体験をさせようと用意されたとシックスセンス展開はいいアイディア。ただ、シックスセンスはホラーなので仕掛けのショックだけでよかったけど、こっちは家族の喪失という重いものを背景にしているだけに、味付け不足な感じ。幼少期からのフラシュバックを見せられても視聴者には初見なので懐かしさはない。現実を受け止められずなかったことにしていたという一種の心的外傷後ストレス障害がラストで回復しつつあるかのように見える描写は克服にロジックが感じられず速すぎる印象を感させてしまう。トラックに乗った二人を追いかけたバイクお姉さんの手にあったバックで、これはシックセンスだと気づかされた時には、どこまでが夢落ちなのかと疑いながらも最悪の可能性のティッシュを要した。不謹慎ながらやはり回復へのターンがスピーディーであるが故の鬱度の軽さがきになる。ホタルの墓では前半で可愛く愛おしい演出で上げに上げたせつこについて、後半で弱っていく演出を嫌というほど重ねることで悲壮感を最大に上げ、さらに結末では主人公の世界も終わり、映画の中の人を救わないというある意味の臨界点超えにより、今見たのはエンターテイメント的な娯楽ではないよと、あるいみ視聴者を画面の中から外へ放り出して救った。しかし、東京マグニチュード8は僕らは画面の中で再び陽が昇り始めそうな居心地の良さを感じ、画面の中から離れられない。繰り返してはならない戦争とは異なり、誰でも体験するかもしれない自然災害モノではあるけど、自然災害の怖さを伝えたいだけならエモ演出とシックスセンス効果は品がないように思うし、不意な家族の喪失を描きたいなら都合よく配分された余震展開は地震の怖さを甘く描いているようにも取れてしまう。ではどうしたらよかったのかはわからないけど、ティッシュを沢山使ったので自然環境に申し訳なく思う次第です。ごめんなさい。



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