そこのみにて光輝く
★★★★★ 星5
はてしない底にあってあたたかく、そこらへんにある世界。
ずっとただよう社会の底辺感が上手に描かれていて、楽しくない。ところが、達夫と姉ちゃんと弟がビールを飲むシーンで目から汁がポタポタった。誰かをすきになって、その人の苦悩を減らしたいと思った時、ひきうける力がいる場合がある。主人公達夫の決意は、ただ誰かを片腕を貸して引き上げるプロポーズとは違う。過去のおもりをかかえたままの腕を持ち上げる大きな力がいる。純粋な感情に突き動かされたどうしようもない意思。対比として描かれる、地方にかぎらず社会のあちこちに偏在する理屈抜きに不純な人物、植木屋。美しいものと汚れたものが極端な形で描かれる。おまえはどっちなんだとつきつけてくる。静かで引いた演出は気持ちいい。すきな映画でも楽しい映画でもないけど、強くゆさぶってくれる意味深い映画。
愛とかのヤボな言葉を一切使わず、それを語る阿久悠さんの美学に通じていてすきな感じだ。くるしい。ありがとう。すきだ。
2015年02月12日
感想文
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