夏の方程式



★★★★★+★★★★★ 星10

娘をかばう母、妻と娘をかばう夫と男、少年に真実をみつめて自分の道を選択させたいと想う湯川先生。男をホスピスに入れてやった刑事。感情移入が折り重なり、静かで美しい映画。

海洋開発に揺れる町の宿の宿泊者の転落事故。湯川先生が少年に接するスタンスに胸が熱くなる。そしてすべてがかっこいい。パンタグラフからのタイトル。目覚める少年の部屋にかすかに聴こえ、窓を開けてはじまる事件の騒音。花火の夜の同時進行。湯川先生が事件の仮説が浮かぶタイムスリップ的窓の外の景色。ペットボトルロケットの空と海。テレビ通話。紙鍋の実験をやめさせる先生。会社も潰れ女房も死んだの笑顔。トイカメラのような、しかしモノクロでなくかすかに色の残る回想シーン。駅での別れ。いや、それ以外の全てのシーン全てのカットに隙がない。何度もしびれる抑えた芝居とクールな演出そして編集。そして前作「容疑者X」を思わせる事件真相解明のシーケンスから、終わったと思わせて湯川先生にとって最も重要な最後の人物など、続けて二度みたにもかかわらず、思い出しても鳥肌がたつ。そもそもの発端が倫理に反することだったかもしれないけど、完璧な人間も社会もなく、それを踏まえて最善を尽くそうとする。このシリーズ、僕の遺伝子の鍵穴にぴったりはいって回される感じっぽい。この後、何度もみると思う。今も見たい。あの世界に浸っていたい。

2014年02月04日

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