ジョバンニの島



★★★★★ 星5

誰かに会いたいとはどういうことだろう

太平洋戦争終結の北方領土を舞台に家屋を奪われ収容されながら生きて行く少年と家族。プロパガンダものかもしれないと相当身構えてみた。確かにそういう役割は小さくない映画だと思うけど、アニメや美術のクオリティー、物語の展開や間合いなど心地よく、エンターテイメント作品として純粋にも楽しめる。家族や友だちへの想いについて、サラサラと品良くそれでいてウエッティーに描いていて胸をつかまれる。特に、兄弟が父に会いに行こうと行動するシーケンスは深い感動を呼ぶ。逢いたい人がいるのはわかるけど、逢ってどうなるのだろうとどこか腑に落ちない思いも持っている僕だけど、そんな理屈ではなく純粋に本能として人は会いたくなるものなのだ。と諭されたような気がした。ラストの乗船シーンでの銀河鉄道の朗読は、とても良かった。そして、この映画はそれが離れ離れになった故郷に対するメタ表現にもなってるのかもしれない。ただ、僕はそこはやはり少し距離を置いて見ることができた。僕にとって世界の中心とは土地や市町村ではなく、あいするひとがいる場所だから。そんなことで気分を満たされて大満足だった。


2015年01月15日

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