ひみつのアッコちゃん



★★★★☆ 星4.5

アッコちゃんのママやパパ、シッポナやモコちゃん大将は今頃どうしているだろう。

今や希少種かというほどの純粋すぎる小学生と、純粋すぎるほどの大人達。汚れた大人社会風にえがかれるものも無菌水槽の中で再現された純粋ないい人々と純粋にわるい人々、ご都合主義的にわりと勝手に解決していく事件。物事はシンプルに簡素になっている。しかし、そこを指摘すると自分が汚れているように思えてしまうほど純粋な思い出とともに戻って来たアッコちゃん。赤塚不二夫さんテイストななつかしいテレビアニメの実写化のつもりで視聴した1回目。途中であまりの展開の違いに断念。後日あらためて別物のつもりで再視聴すると、余計なことが頭にうかんでもかきけされるテンポのいい展開にあっというまにエンディング。そしてひみつのアッコちゃんからは想像もできないエモーショナルなラストシーン。たしかに魔法のコンパクトがなければ成立しない話なのに、魔法のコンパクトの重要性は高くない。想いを大人へ伝えるためのスマホかタブレットくらいのカジュアルなアイテムになっている。さしずめ鏡の世界はインターネットで、変身はアバターやスタンプか。しかし、これはまぎれもなくひみつのアッコちゃんだった。クライマックスに唐突に登場する一匹の猫。そこに制作者さんたちのひみつのアッコちゃんに対するリスペクトが津波のようにおしよせた。これはアッコちゃんではないと仕切り直してみていたのに、自分がみているものは、間違いなくひみつのアッコちゃんなのだと物語とは別の角度からも郷愁と感動がこみあげてくる。もしかしたら僕等が子供の頃に飼っていた猫たちのかわりに登場して元気に走り回って演技をする猫。元気かフッコ、ありがとうチコ。ギャバンなど男子向け番組の映画が何年たっても同じことをしているのに対して、アッコちゃんは確かに成長していた。この映画は、大人になったアッコちゃんの視聴者に、当時の希望ややさしい気持ちを思い起こさせる。映画の大半の時間は大人になったアッコちゃんで進行し、ラスト、まるでそっちが過去であるかのように、あたたかい家族や友達のもとに戻ったあと、再びラストシーンで時間は未来へすすむ。そこは当時の視聴者にとって未来でも過去でもなく「今」。笑って泣いて見終わると全てが遠い過去の出来事のよう。よくある構造ではあるけども、それをひみつのアッコちゃんでみせてくれたことに感謝したい。

そしてエンディングであの曲を使う超反則技に涙腺決壊は必至だ、ツンツツン。


2014年05月05日

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